ガーリックの風味・特徴
ガーリックは、独特の匂いが特徴の香辛料で、日本では「ニンニク」という名前で一般的に認知されており、餃子やラーメンでよく使われています。
ガーリック独特の匂いは、ガーリックに含まれている「アリイン」という成分によるものです。
アリインは本来無臭ですが、ガーリックを刻んだり潰したりすることで「アリイナーゼ」という酵素がアリインに作用して、硫黄を含む化合物「アリシン」が発生し、あの特有の匂いになります。
その独特の風味は餃子の中華料理はもちろんのこと、香辛料として、食材を引き立てるためにフランス料理などには欠かせません。
また、魚や肉の生臭さを消す効果が大きく、肉料理には生のガーリックをすりおろしたものをもみ込んだり、潰したガーリックと一緒に加熱して使われたり、カツオのたたきのように、ガーリックをスライスしたものと一緒に食べる文化も定着しています。
ガーリックの歴史
ガーリックの原産地は、一説によると、地中海沿岸と言われており、紀元前4500年頃には古代エジプトで栽培され、食用や邪気払い(魔除け)として利用されていたとされています。
当時は、ピラミッドを作る際の、過酷な労働に耐えるべく愛用されたのだとか。
日本にも、中国より伝来し、諸説ありますが400年代には「ヒル(蒜)」という名前でガーリックが存在したといいます。
「悪寒や発熱」に効果がある医薬品として、市民に普及していった一方で、中国から伝来した仏教を国の宗教として定めて以来、ガーリックを避ける思想も広がりました。
そのため、一般市民に広く食べられるようになったのは明治以降と、食用の歴史は伝来した時代を考えると、まだまだ浅い食品です。
日本国内では、全生産量のうち80%が青森県で生産されており、寒冷地特有の気候を生かした、糖度が高くて食べると甘い、日本独自のガーリックも生産されています。
ガーリックの効果・効能
ガーリックは元々は薬として使われていたこともあり、現代でもサプリメントとして使われ「高コレステロール血症」「高血圧」さらには、がんやそのほかの症状・疾患の予防などに役立っています。
ガーリックの匂いの元であるアリシンは、にんにく由来の強い抗菌・抗カビ作用をもつ化合物で、その強力な抗菌作用から、肺炎や感染症を予防する効能があるといわれています。
体調不良ではなくても、普段からガーリックを摂取することで、疲労回復、末端冷え性の改善、殺菌作用による免疫力のアップも望めるでしょう。
また、ガーリックにはコレステロール値を下げ、血小板の凝集を抑えて血栓ができにくくする効果もあるため、高コレステロール血症の予防にも役立ち、日常的に適量を摂取することで、三大疾病である心臓病を患うリスクを軽減できます。
ただし、大量摂取すると腹痛や下痢を引き起こしてしまうので、食べるのはほどほどに。